昨今の国語教育は、授業時数削減のために、物語文が激減しています。物語文こそ、言葉を覚え、気持ちを想像し、他人の人生を疑似体験するものだと考えます。また、指導の仕方も、中心場面から読み進め、前後に広げながら読み込んでいくという形式です。核心部分にポイントをあてて、読み取ろうとするものです。昔のやり方であれば、全文を場面わけなどして、文章にそって、言葉の意味や気持ち、様子などをつぶすように丁寧に読み取っていきました。それでは、時間もかかるというわけですが、深くしっかり読み取るためには、必要な過程だと考えます。核心部分だけではなく、その場面に行き着くまでの心の変化を読み解くことが大切ですし、核心後の様子や行動も大切なところです。つまみ食いをしたような読み方で、国語の学習をしたと言えるのでしょうか。言葉をしっかりととらえ、文の裏側に表現された気持ちを読み取る力をつけることが、人を思いやったり、気持ちを表現するときに役に立つのではと考えます。